2011年4月30日土曜日

小出裕章氏について

 3.11後に福島原発の状況を理解したくて、色々とネットで調べていて辿り着いたのが「小出裕章」(京都大学原子炉実験所助教)氏だった。それまでは、御用学者+政府もマスコミも隠ぺい体質でどうしようもなく・・・ネットで調べながらも、なんか違うだろう・・・という想いだけできて、ようやく納得のいく説明をしてくれる人物が「小出裕章」氏だった。

 福島事故が起こる前は、私自身も漠然と原子力は必要悪だろう、という程度の認識しかもってなかった。だが氏の解説を見て、ようやく福島の被害状況や、原発は不要だという氏の持論について知ることができた。

 簡単に氏の事を説明すると、京都大学原子炉実験所助教であり、もともとは原子力発電を志して研究に入ったのだが、その危険性や問題点に気づいてからは、逆に40年間は一貫して原発をいかに止めるかという視点で原子力について研究している学者である。

<小出裕章氏が指摘するポイント>
 ※現状の認識と経緯など・・・、私的で乱暴な抜粋です。(ご容赦)
  • 福島原発の現状はレベル7は妥当。まだ予断を許さない。
  • 政府の避難指示(円形距離)では正確な実情を反映しておらず、結局は風向きしだいである。既に放射能は東京や日本全国をめぐっている。
  • 電力不足という観点からは原発は不要。
  • 原発は一番コストが高い発電方式である。なぜ増やすかというと、電力会社がもうかる構図となっているから。
 そして、これから必要なことがらは、
  • 福島の状況をなんとか回復させること。絶対に爆発をさせないこと。爆発したらチェルノブイリの数倍規模の被害となる。
  • 即刻全ての原発の停止。
  • 既に汚染は起こっている、むしろ汚染とどう向き合って被害を減らす暮らしを実現するかを考えるべき。
 そういった事を動画を通じて知ったのだが、氏の科学者としての厳しさ、誠実さや信念が伝わるような気がした。氏は安易な答えや楽観論は一切言わないが、絶望もせずに常に我々が何をするべきか、何ができるかを考えている。

 原発事故が起こってからずっと、政治家、電力会社、マスコミ、官僚・・・などのどうしようもない人々、そして安易な楽観論を流して、単にいままでと同じ日常を続けようとする人たち、それを信じようとする人たち・・・救い難いものだと思っていた。それらを目にするにつれて絶望しつつあった。だが氏の講演録を動画で見た時は、驚きとともに、まだこんなすごい人がいるのかと本当に感動した。


 だが、現状の福島原発はシリアスで、予断を許さないのだろう。一か月ぐらいたったからなんとなく慣れた感じはしているだけで、事態は特に好転していないのだと思う。(根拠なくても慣れてしまう、これが人間の性なのだろう、良くもあり悪しくもあり)


 でも一か月もたってから、私もだんだんと、普段のTVや日常で感じる違和感について解ってきた。我々はまだ現実を受け入れられてなくて、リアルな問題に向き合えてないのだろう、という事が・・・。

 マスコミや政府は安易な楽観論を流し。ミュージシャンや有名人はチャリティーなどでアピールしたり寄付をする。経済アナリストは復興をさかんに言い立てる。コマーシャルで「日本がんばれ」という。それら一つ一つは間違ってないのかもしれない。だが、それだけでは我々はまだまだ、厳しい現実に向き合えていないのだろう。

 それは何故か? 彼らは、まるであたかも「今までと同じような日々」がつづく、もしくは前と同じような日々へ戻そうとしているかのようだ。だがそれでもいけない。

 3.11後は、もう3.11前には戻れない。戻ってはいけない。

 我々はようやこの大災害によって多くの問題に気づく事ができた。だが、やり直すには前と同じではいけない。いまなお続く原発被害、利権を維持しようとうごめく誤魔化しの数々、国内問題だけではなく国外で今後起こってくるだろう問題など・・・。

 福島の問題は、既に世界史的に見ても前例のない事態だと思われる。よって過去の経験やデータはそのままあてにならない。本当に想像力が必要とされる局面にきたのだろう。私自身も無力だろうが、なかろうが、少なくともぶれずに行きたいね。


<小出裕章氏の動画>
・京都大学原子炉実験所 小出裕章氏に聞く
     http://www.ustream.tv/recorded/13897618#utm_campaign=twitter.com&utm_source=13897618&utm_medium=social

・【大切な人に伝えてください】小出裕章さん『隠される原子力』 
     http://www.youtube.com/watch?v=4gFxKiOGSDk

2011年4月29日金曜日

そろそろ本当の話をしないか?

 3.11の災害があった時に、すぐに一番の懸念と恐怖にかられたのは福島原発の状態だった。そして今後どうなるのか、どうするべきなのか、という事を知りたくて、自分なりにネットを中心に色々と調べてみた。

 その結果はと言えば、福島原発の状態はよくわからないままで、解った事と言えば、堂々巡りをしている利権の構図だった。できの悪いブラックジョークのようだが本当の話。ちなみに私のイメージをおおざっぱに書くとこんな感じになる。

 原子力の推進 →政府(核保持)+電力会社(電力独占) →マスコミ(広告収入) →官僚(天下り) →御用学者(研究費) →財界(資本もたれあい?) →検察(国論推進?) →また政府へ、あるいは他のルートへ・・・。

 どこからスタートしてエンドも不明だが、メビウスの輪のように利権によるフローが確立されているのは確実だろう。

 この大きな輪は、原子力バブルとでも言うべきだと思う。支えているのは「原発を新たに作るほどに、電力会社がもうかる仕組み」であり、マスコミ+御用学者によって広められてきた。下記に記載したのはすぐに思いつく、数々のプロパガンダの一部である。

<マスコミ+御用学者のプロパガンダ>
  1. 原子力は安全(喫煙よりも安全?)
  2. 原子力はもっともコストが安い
  3. 温暖化防止に役立ち、エコである。環境にやさしい
  4. 原子力を止めれば、すぐに日本は電力不足になる
  5. 今の豊かさを維持するには、原子力がないと不可能だ
 ただし、私なりに調べたり考えた結果、答えは全てNOとしか思えない。ちょっとだけ簡単に反論してみるとしよう。

<プロパガンダへの反論>
1)原子力は安全か?
 福島原発の災害だけで、日本を壊滅させないような状況が続いてるので、当然にNO。
 (枝野官房長官が現地視察で「フルアーマー枝野」と揶揄されたのを思い出して欲しい)

2)原子力は安いか?
 「小島裕章」氏の著書・講演を見た、さらには常識から推測してもNO。発電だけなら安いかもしれないが、廃棄物処理を含めると、おそらく一番高いのではないかな?

3)温暖化防止に役立つのか?
 ここは正直まだ解らないが、じつは今まで騙されてきたのかな・・・という気が、だんだんしてきている部分である。

4)原子力で電力不足になるのか?
 NO、不足にはならない。理由は火力発電所の能力を低く見積もったり、代替え検討をしなかったから。3月の計画停電は、東電+政府の強迫であり、サボタージュだったのだろう。色々と調べると、だんだんとそう思えてきた。(計画停電は限りなく黒に近い)

5)原子力がないと豊かになれない?
 NO、むしろ高い電機代を払わされて貧しくなっているのではないか? 例えば日本の鉄鋼メーカーなどは独自に火力発電をもっており、計画停電の際には「鹿島製鉄所」の火力発電所も電力を一般家庭に回して計画停電の中止に貢献している。つまり大量に電力を使うメーカは、火力発電を自分で行った方が安いのだ。2)コストと絡むが、これは根拠のないプロパガンダだ。

補足:
・温暖化防止に本当に役立っているか?
 ウラン採掘のコスト、そして温水を海に放出しつづけるという指摘を聞くと、むしろ地球を暖めているのだと思う。冷静に考えれば、巨大な熱を作ってどこかへ放熱している(原子力のエネルギー変換効率は良くないと聞くので)から、CO2は少なくても、直接に世界を暖めているという影響は大きいかもしれない。

 正直にいえば原子力を持って得をするのは電力会社+つらなる利権組織だけで、他は「百害あって一理なし」だろう。それでも原子力をやりたいのは、いまの既得権益を守るためと、核エネルギーに対するこだわりだという。

 そろそろ本当の話をしないか?

 しかしいまだに原子力を擁護する人たち、マスコミ+御用学者+タレント+α・・・etcはいるし、反論もするだろう。だが今はまだ福島による危機が終わったわけではない。むしろこれから起こる災害に対して、冷静な判断で予防策を練るべきだ。いったん原子力が役立つかどうか・・・という議論は棚上げにしないか?

 まずは、日本全ての原発を停止させて~議論はそれからにしないか?

 私自身は3.11の事を知ってからは反原発というスタンスである。だがいますぐ原発を全て止めろというのは、上記に書いた5つの反論やメリット/デメリットを理由にしているわけではなく、次にあげるもっと緊急かつ重要な懸念によるものである。

<緊急にでも、全ての原発を停止すべき理由>
1)日本人に原子力を管理する能力はない
 テクノロジーについてのあらゆる課題を無視しても、少なくとも日本政府=日本人には管理できない。できなかったという事実だけがある。これから管理できる見込みも感じられない。利権のもたれ合いは続くが、対策はほとんど練れてないと思う。

2)今の日本に原発を管理するリソースはない
 私の読みでは、福島を解決するだけでも、理想的に作業が進んで安全状態になるには2~3年かかると思う。これを遂行するには、おそらく日本中の技術者を集めなくてはいけないだろう。それでも足りなければ徴兵でもなんでもするしかない。作業員のリソース不足は明確で、急に増やす事はできないだろう。(高被爆環境では、同じ人間が長い時間働けないので・・・)

3)世界に対するリスク
 既に日本には51基の原発がある。さらにはもっと危険な高速増殖炉もある。いまの状態でさらにひと押し(例えば東海地震とか、もんじゅ事故とか)あれば、どうしようもない。リソースは無いし、逃げ場もない。かりに海外へ逃げるとしても、残った51基の原発を全て停止させないといけないだろう。
(本当の最悪とは、無人の日本列島で原発だけが使う人のない電力をただ作り続ける姿だ・・・)

 そろそろ本当の話をしないか?
 国家が保てての利権だろう? 今は目の前で続いている危機、さらに起こるかもしれない直近の危機を回避するために、全ての原発を停止させるべきだと私は思う。

Japan is an alternate world.

 日本はまるでパラレルワールドだ。 新聞・TVなどの主要メディア vs Twitterなどのネットメディア、そして私の日常世界、それらはだんだんかみ合わなくなる。ときどき私は自分がパラレルワールドに迷い込んだような気になる。まるでH.G.ウェルズの小説「世界最終戦争の夢」のようだ。そして、これらは全て3.11の災害から始まった。

 震災のあと、私がまず始めに危惧したのは福島原子力発電所の事故だった。チェルノブイリクラスの大災害が起こるのかどうか、それが知りたくてTVやネットを調べたが、なかなか役に立ちそうな情報は得られなかった。ようやく事態が解ってきたのは、TwitterやYouTubeによるのだが、それも非常に時間がかかった。全体の状況についてイメージできたのは、震災から一週間以上たってからだった。

 役に立つ情報が伝わらず、事態の全容がつかめない理由は、政府の情報隠ぺい(というつもりかどうかも理解できないが)、そして大手マスコミのサボタージュ(もしくは積極的な邪魔)、御用学者達の限りなくデマに近いようなコメントが溢れているからだ。そして現在にいたっては、TVなどの主要メディアはこれらの事について語る事すら止めてしまったようだ。

 私自身はTwitterや、「小出裕章」氏のように御用学者でない人の見解を聞く事で、いちおう自分なりの現状把握はある。そして政府や主要メディアについては話半分ぐらいのつもりで聞いていた。(彼らに対する文句は言いだせばきりがないが、それは置いとくとして・・・)

 だがそれでも、外国メディア参加がゼロとなった「保安院・東電の定例会見」といった記事が出るにいたり、もはや話半分どころではなく、まったく政府・マスコミと、一般人の情報レベルがかみ合わなくなってしまった。日本ではリアル現実がついに、想像すら超えたシュールでブラックジョークになったのだろう。(当然だが、海外では福島問題はかなり大きなテーマで関心も高い。放射能垂れ流しや風で地球一周して増加する放射線量・・・etc)

 ここに至ると私も、ときどきまるでパラレルワールドに迷い込んだかのような錯覚を感じる。そして最近はだんだん、もう日本語の情報は見る意味がないのではないか? とさえ思うようになった。客観的な情報が欲しければネットで海外記事をみるしかない。私自身は語学苦手なので面倒なのだが、現状ではいたしかたないのだろう。

 だがはたして、日本の政府・マスコミ・官僚・御用学者・財界・検察・・・etcはそもそも現実を理解しているのだろうか? 情報隠ぺいするにも、まずは現実を理解してなければいけない。ここに至っては、もはや彼らも何が本当か解ってないのではないかな? これからは彼らのバーチャルな悪夢が、逆に我々の現実に浸食してくるのだろうか?

 3.11前には戻れない。戻ってもいけない。虚構はどれほど精緻なものであっても、所詮は虚構でしかない。そろそろ本当の話をしないか? 

<参考>
・外人は来ない保安院・東電の会見 http://takedanet.com/2011/04/post_3a50.html